いつもの授業、吐き気と目眩。この空間がほんとうに苦手。
校舎の最上階、窓のある階段を降りるときにずっと向こうで海がひかってる。この学校からだって海が見えるんだ。やけに今日は緑がきれい。
講義を終えて、心から血が出るような思いで、吐き気とのどのつっかりを気にしながら歩く。すきな語りかたも苦手な語りかたも無造作に行き交うから、大学というあらゆる場で耳が耐えられないのだと思う。そんなにぎゅうぎゅう言葉を詰めたってなにも伝わらないのに、なんて思いながら議論の傍観者でいる。どうして学生なんてしているのだろう、ここでは人と本の読み方について強靭に語り合って目を輝かせることが絶対的によいことみたいでくるしい。
多分、ムクさんがまた病気になった。尾鰭に白い雪の塊のようなものをつけて泳いでいる。水槽に戻ってきてまだ1週間も立っていないのにね かわいそうだけれど、また塩浴に戻る 入退院を繰り返す子どもみたいでほんとうに不憫だ、わたしがしっかりしなければならないのに。
くるしい 誰か、って言いたいけれど、誰かがきてくれたところで根本的には解決しない。
プールに行きたい。うちからプールはあまりに遠いし、水着もないから、以前節水用に買ったビニールプールをベランダに運んでみようか ひとりきりの部屋でプールの後の気だるさに身を任せて、麦茶を飲んで眠りたい、なにもかもが敵だ、どこもかしこも戦場だ。
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