金曜日

とてとて20

風邪をひいてしまった。咳がこんこんとまらない。
なにか栄養のあるものを、元気のでるものを食べなくちゃとスーパーに行っても、目に映る何もかも、それが調理されて身体に入ったあとの感覚を想像すると途端に胸がむかむかして、嗚咽のようなものまでして、けっきょくなにも買えない。

私ひとりで私を管理しきれない。むりやりだれかにげんきにしてもらわないと…でもだれに?


さてそこで、私は何をしたらよいか。もうそれは決まっている。誰一人、入ることものぞくことも出来ない場所を創ること。何という美しい仕事だろう。この場所は私にとって楽園とはなり得ない。けれどもそれを創るために、一冊の新しいノートを用意し、抑え切れない私だけを正直に書いて行くことである。もう何か溢れ出てくる気分がする。しかし、そこへ書くことは暫く待たねばならない。書くことは、私にとって、まだ凝結し切らないものまでも引きずり出してしまうから。 -『若き日の山』/ 串田孫一


たいせつな一冊の日記をひらいたとき、ときどき、じぶんの腑や古い皮までもそこに飛び散って染みついているような気がして動けなくなる。治るまえのかさぶたを引っ掻いてしまったときにあらわになる生々しい皮膚の内がわのようにも見えて、なすすべなくいる。

今日したこと  1限の受講、読書、日光浴
今日食べたもの 友だちの送ってくれた琥珀糖

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とてとて28

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